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目次
本資料では、2026年度の医学部合格実績をもとに、国立医学部の難易度、共通テスト得点率、記述模試偏差値、出願判断の関係を整理します。単独の指標ではなく、複数のデータを組み合わせて合格可能性を評価することが大切なポイントです。
第1章 動画のテーマと2026年度合格実績
2026年度のエースアカデミーの医学部合格者は、重複を除いて154名であり、このうち国立医学部合格者は57名でした。学年別では、現役50名、一浪49名、二浪27名、三浪以上14名、再受験生14名です。男女別では男性81名、女性73名でした。
最終模試の偏差値が65以上の生徒は49名で、医学部合格率は90%を超えました。偏差値60台前半の生徒は51名で、合格率は80%以上です。最終偏差値が50台の生徒も54名が医学部に合格し、そのうち3名は国立医学部に合格しています。合格者の中心は偏差値60台であるものの、医学部合格者は特定の偏差値帯だけに限られていません。
合格者154名の分布を見ると、偏差値70以上だけが合格しているわけではありません。偏差値60台前半や50台後半にも多くの合格者がいるため、現在の偏差値だけで医学部受験そのものを諦める必要はありません。ただし、国立医学部に限ると偏差値50台の合格者は少なく、私立医学部とは分けて考える必要があります。
第2章 国立医学部の偏差値ランキング
国立医学部の難易度を評価する際には、記述模試偏差値と共通テストのボーダー得点率を併用する必要があります。偏差値70以上の国立医学部は4大学であり、60台後半にも複数の大学が位置します。一方、大学数が最も多いのは偏差値60台前半です。
偏差値ランキングは二次試験に必要な英語・数学・理科の学力を示すが、実際の出願可能性は共通テストの結果によって大きく変化します。したがって、偏差値だけで大学を順位づける方法では、国立医学部の実際の合格可能性を正確に判断できません。
偏差値表を見るときは、大学名の順位だけでなく、自分の二次試験科目の学力と照らし合わせます。
偏差値60台前半の大学が多いことは、基礎を確実に身につければ複数の候補を持てることを意味します。
一方、偏差値70以上の大学は求められる完成度が大きく異なります。
第3章 共通テストのボーダー得点率
2026年度は共通テストの平均点が前年より低下し、多くの国立医学部でボーダー得点率も2~3ポイント程度低下しました。前期日程を実施する49大学のうち、14大学はボーダー得点率が80%以下でした。81~82%の大学を含めると、全体の半数以上が82%以下となります。
国立医学部では90%前後の得点が一様に必要なわけではなく、年度によっては80%前後でも出願可能な大学があります。ただし、ボーダーは共通テストの平均点によって変動するため、前年の得点率を翌年度へそのまま適用することはできません。
例えば、前年のボーダーが82%だった大学でも、共通テスト全体の平均点が変われば翌年の目安は動きます。
そのため、「80%なら安全」「85%ならどこでも出願できる」と固定的に考えるのではなく、その年度の平均点と大学別判定を確認することが大切です。
第4章 国立医学部合格者57名の実データ
国立医学部合格者57名の内訳は、一般入試45名、推薦入試12名です。学年別では現役と一浪が各21名で最も多いが、二浪、三浪以上、再受験生にも合格者があります。
共通テスト得点率は、80%台前半が25名、70%台後半が25名であり、この二つの層が大部分を占めました。90%台は1名、70%台前半は3名です。高知大学の総合型選抜による合格者1名は、共通テストを利用していません。一般入試と推薦入試のいずれでも、合格者の中心は70%台後半から80%台前半でした。
英語・数学・理科の記述模試偏差値では、70以上が10名である一方、60台前半と60台後半にも多くの合格者が分布しています。偏差値50台の合格者は3名に限られました。この結果から、共通テスト得点率に加えて、二次試験科目の偏差値が国立医学部合格に強く関係することが分かります。
57名の実績では、共通テストの高得点者だけでなく、70%台後半からの合格者も多く確認できました。ただし、この層の合格者は二次試験科目の偏差値が高い傾向にあります。共通テストの不足を二次試験で補えるかどうかが、出願先を決める重要な条件になります。
第5章 共通テスト得点率と記述模試偏差値の組み合わせ
共通テスト得点率が同じでも、記述模試偏差値によって判定は大きく異なります。共通テスト85%以上かつ偏差値70の場合、A判定となる大学は20校ありました。一方、偏差値60ではA判定がなく、B判定も2校に限られ、合格率をほぼ見込めない大学が8校含まれました。偏差値55では、85%以上を得点してもC判定となる大学はわずかであり、約半数の大学で合格可能性を見込めませんでした。
共通テストが80%台前半の場合、偏差値70でもA判定はなく、B・C判定を中心に出願校を選ぶ必要があります。偏差値60ではD判定が中心となり、最も条件の良い大学でも合格率は30%程度となります。共通テストが70%台後半まで下がると選択肢はさらに限られます。
このデータは、共通テストの成功だけを根拠に出願校を決める危険性を示しています。
出願時には得点率、記述模試偏差値、足切り、二次試験の配点を同時に検討する必要があります。
85%という得点だけを見ると成功に感じられますが、偏差値60の場合は選べる大学が限られます。反対に、偏差値70であれば同じ85%でも多くの大学が候補になります。この差があるため、共通テスト後は得点率だけで一喜一憂せず、記述模試の成績を組み合わせて判断します。
共通テスト85%以上
70
A判定 20校60
A判定なしB判定 2校
55
約半数の大学で合格可能性を見込めない
第6章 共通テスト得点率別の判断
共通テストが70%台後半の場合、偏差値65以上であれば一部の大学に合格可能性が残るが、候補は1~2校程度に絞られます。適切な大学を選択すれば合格は可能であり、2026年度にはこの得点帯から28名が合格しました。一方、偏差値65未満では合格可能性が大きく低下します。
共通テストが70%台前半以下の場合、国立医学部の一般入試は極めて厳しいです。2026年度の合格者3名も、記述模試偏差値が70近い生徒に限られました。60%台では現実的な出願先を確保することが難しいため、私立医学部へ重点を移すか、翌年度の受験に向けて基礎学力から再構築する必要があります。
70%台後半から出願する場合は、「合格できそうな大学を広く探す」のではなく、条件が合う1~2校を丁寧に選ぶ作業が必要です。足切り、共通テストと二次試験の比率、科目ごとの配点まで確認すると、同じ成績でも大学によって合格可能性が変わる理由が見えてきます。
第7章 国立医学部対策の全体像
最終偏差値が50台の医学部合格者は54名でしたが、国立医学部合格者は3名にとどまります。共通テストでボーダーを確保しても二次試験科目の学力が不足すれば、判定はE判定以下となりやすいです。国語・社会・情報で高得点を得ても、英語・数学・理科の不足を完全に補うことはできません。
偏差値60台前半では国立医学部合格者が増えるものの、共通テストの失敗による影響が大きく、合格率は安定しません。
偏差値65以上になると、共通テストで多少失敗してもD判定以上となる大学が残り、出願選択の幅が広がります。
このため、国立医学部を安定して目指す基準として、最終偏差値65以上が重要となります。
偏差値60台前半は、国立医学部の可能性が見え始める段階です。しかし、共通テストで失敗すると候補が急に少なくなります。偏差値65以上まで伸ばす目的は、難問を解けるようにすることだけではなく、共通テストが想定を下回った場合にも出願先を残すことにあります。
第8章 難関国立医学部との違い
東京科学大学などの最難関国立医学部では、一般的な国立医学部より高い記述模試偏差値と共通テスト得点率が同時に求められます。記述模試偏差値65、共通テスト85%という成績でも十分な判定には達しません。偏差値72、共通テスト88%前後で、ようやくC判定となる水準です。
最難関大学の名称に合わせて応用問題集や大学別対策を増やしても、基礎学力と共通テスト得点率が不足していれば出願可能性は高まりません。難関大学を志望する場合も、まず基礎問題の精度を高め、英語・数学・理科の偏差値と共通テスト得点率を引き上げることが優先されます。
最難関大学を目指す場合も、最初から難しい問題ばかりに取り組む方法は適切ではありません。偏差値65や共通テスト85%では十分な判定が出ない大学だからこそ、基礎問題の取りこぼしを減らし、共通テストで1問ずつ確実に得点する必要があります。
60台前半国語・社会・情報の強化偏差値65以上の確保
第9章 偏差値帯別の学習方針
国立医学部を目指す学習は、基礎問題の徹底によって記述模試偏差値60台前半へ到達することから始まります。この段階で国立医学部の合格可能性が生じるため、その後に国語・社会・情報の対策を本格化させます。さらに偏差値65以上を確保することで、共通テストの得点変動に耐えられる出願範囲をつくれます。
教材は難度よりも習得度を重視する必要があります。基礎問題精講などの標準的な教材を反復し、解法を再現できる状態にすることが優先です。応用教材を増やすことより、限られた教材を確実に習得し、全科目のバランスを整えることが国立医学部合格への現実的な方針となります。
学習の順序は、基礎教材の習得、記述模試偏差値60台前半、国語・社会・情報の強化、偏差値65以上の確保という流れです。
現在地に合わない応用教材を増やすより、次の段階へ進むために不足している科目を明確にする方が、受験全体を安定させやすくなります。